
たい-ぎんじょう【鯛吟醸】[名・サ変]
❶広島真定番。広島が誇るふたつの食の宝の組み合わせ。|「広島といえば ―― 」「通な客は ―― を注文する」「今日は ―― で祝おう」 〔広島で獲れる鯛は、日本有数の大きな潮の満ち干きによる潮流に身を引き締められ、美しく豊かに注ぎ込む川の恵みを受けて育ちます。春は桜鯛、秋は紅葉鯛。季節によって味わいが変化するのも魅力です。広島で生まれた吟醸酒もまた自然が磨き上げた名水で醸され、きめ細やかでふくよかな旨みと、華やかでフルーティな吟醸香を生み出します。〕 ❷上品な白身と淡白で奥深い味わいが楽しめる鯛と、広島発祥の香り高いふくよかな吟醸酒とのペアリングを楽しむこと。|「広島人も、広島に来た人も、うまいもん食べたいんなら、損はさせんけぇ、―― してみんさい!」
なま‐たいぎんじょう【生・鯛吟醸】[名・サ変]❶鯛吟醸の第一活用。カルパッチョ・生ハム巻き・昆布締め・なめろうなど、火を入れない鯛で味わう鯛吟醸。―「一杯目は ―― から」「―― で口を開ける」「昆布締めなら ―― に限る」〔生の鯛の魅力は、繊細な甘みと透明感のある旨み。合わせるなら、華やかな吟醸香とフレッシュな酸をもち、雑味の少ないタイプが力を発揮します。酒の香りが鯛の上品な香りを引き立て、軽やかな酸味が脂を心地よく流して、余韻をすっきり整えてくれます。薄造りには香り高い酒を、厚めに引いた身にはふくらみのある酒を。素材そのものの味を邪魔せず、互いの繊細さを高め合う組み合わせです。〕❷素材の持ち味だけを頼りに、酒とまっすぐ向き合うこと。―「まずはよう冷やして ―― してみんさい。鯛の甘みに驚くけぇ!」
やき‐たいぎんじょう【焼・鯛吟醸】[名・サ変]❶鯛吟醸の第二活用。塩焼き・味噌焼き・鬼蒸し・ポワレなど、焼きの要素をもつ料理で味わう鯛吟醸。―「―― の香ばしさにはかなわん」「今夜は ―― でいこう」「〆は ―― に限る」〔焼くことで、鯛は香ばしさをまとい、旨みがぐっと凝縮します。メイラード反応が生む複雑な風味に寄り添うのは、熟した旨みと適度なコクをもつタイプや、香ばしさを感じる一本。酒の旨みが焼き目の香ばしさと重なって、凝縮した身の味わいを立体的に感じさせます。皮の香ばしさには、常温に戻した一杯も好相性。料理と酒が互いの厚みを補い合い、満足感のある余韻へと導いてくれます。〕❷香ばしさと旨みを、酒の厚みで受け止めること。―「皮までパリッと焼いたやつで ―― してみんさい。箸が止まらんようになるけぇ!」
に‐たいぎんじょう【煮・鯛吟醸】[名・サ変]❶鯛吟醸の第三活用。煮付け・酒蒸し・あら煮など、煮る・蒸す料理で味わう鯛吟醸。―「寒うなったら ―― じゃ」「あら煮が出たら ―― の合図」「―― で長っ尻になる」〔出汁や調味料の旨みがじっくり染み込み、味わいに奥行きが生まれます。合わせるのは、穏やかな香りとしっかりした旨みをもつタイプや、熟成感のある酒。米由来の旨みが煮汁と重なって料理全体に一体感が生まれ、適度な酸が後味を心地よく引き締めます。ぬる燗から上燗に温めれば、旨みと甘みがふくらみ、出汁や鯛の繊細な旨みとの調和はいっそう深まります。素材・出汁・酒が三位一体となる、滋味深い余韻です。〕❷温度をひと工夫して、料理と酒を溶け合わせること。―「冷やだけが日本酒じゃないけぇ。燗つけて ―― してみんさい!」
広島人も、広島に来た人も、
うまいもん食べたいんなら、
損はさせんけぇ、“鯛吟醸”してみんさい!
はじめての鯛吟醸
鯛吟醸を楽しむために、おすすめの組み合わせを
チャート形式でご紹介。
2025広島本大賞受賞の
清水浩司が、
広島のお店で
飲み&食べ歩いたペアリングの記録を
みなさんにお届けします。
乞うご期待!
広島の作家・ライター・編集者。2026年、酒都・西条を描いた探訪記『くらくら西条』(ザメディアジョン)が「第15回広島本大賞(ノンフィクション部門)」受賞。2019年には『愛と勇気を、分けてくれないか』(小学館)で「第9回広島本大賞(小説部門)」を受賞。同賞のW受賞は初。イラストレーター・カミガキヒロフミとのユニット「ホントーBOYS」でも活動中。