お知らせ

2023.11.06

技術研鑽会〜瀬戸内さかな篇〜を開催

「おいしい!広島プロジェクト≪代表団体枠≫」である広島県日本調理技能士会では、県内の和食料理人の技術向上とモチベーションアップを目的として、年に4回、講師を招き調理法などを指南する「技術研鑽会」(約90分)を開催しています。

9回目となる今回は、広島市南区にある「庭園と料亭 半べえ」厨房にて開かれました。講師は「日本料理 喜多丘」の店主、北岡三千男氏。北岡氏が旬の“瀬戸内さかな”から「スズキ」と「穴子」をテーマ食材に選び、数品の調理法を披露しました。

【本日の料理】スズキのたでみそ焼き・キュウリの粕漬、スズキの湯引き・はりはりキュウリ、煮穴子の飯蒸し・冬瓜の餡かけ

研鑽会には県内の和食料理人、25名が参加。参加者はメモを取るほか、動画や写真撮影を行うなど、熱心に聞き入っていました。また、参加者と北岡氏との距離も近いことから、参加者が直接質問する場面も。その一つひとつに丁寧に耳を傾け、返答をする北岡氏。時には笑いを交えての説明もあるなど、終始和やかな雰囲気で進みました。

メインとなる「スズキのたでみそ焼き」では、分量や調理工程の説明ほか、普段では聞くことのできない北岡氏の料理に対する想いを話されるシーンも多く、貴重な時間に。なかでも、たでをすり潰す方法については、昔ながらの手作業の良さについて触れました。「ミキサーでやるとラクだけど、一度手作業でやると味の違いが分かります。時間がかかっても手ですり潰す方がお客様は喜びます。」と、あくまでもお客様の気持ちを大事に、と話されたのが印象的でした。北岡氏の放つ一言、一言を聞き逃すまいと参加者の顔も真剣。また、たでは辛みが強いけれどもスズキと相性が良いこと、盛り付けの工夫なども話されました。

特に参加者を唸らせたのは、(たでをぬる前の工程)スズキを塩焼きする場面。川魚の塩焼きは非常に難しいそうで、「塩焼きとは塩を焼くということ。魚を焼くのではない。塩が焼けたら、魚も焼けているので心配はいりません。」と北岡氏。続けて「霧吹きにお酢と水を入れて吹きかける。これも旨味を引き出す相乗効果。」と話されました。目で見て分かるよう、実際に焼けたスズキを触りながら、「もうちょっと焼いた方が良いんじゃないかって思うでしょうが、これ以上焼くと身が硬くなります。」と説明があると、参加者はスズキの焼き具合を見ようと一斉に北岡氏の手元に視線を集中。参加者から「今まで焼きすぎていました。」「塩焼きとは塩を焼くこと、という話は初めて。」という声も多く聞かれました。

また、「煮穴子の飯蒸し」では、北岡氏の穴子をさばく速さと美しさに参加者はほれぼれ。至近距離で動画撮影を行う人も多く、「店に帰って練習するために撮りました。」と話されていました。北岡氏が「煮詰めはこんな感じ。」とスプーンで、煮詰めたタレのとろみを見せてくれる一幕も。「ちゃんと時間をかけて煮詰めているのと、そうでないのと、(スプーンからの)垂れ方で分かります。煮詰めにはお酢やトマトジュースを入れると角がとれて良いです。」と隠し味についても話されました。穴子の腹は捨てずに、片栗粉をつけて油の中へ入れると美味しく食べられると、残った食材の活用法についても触れました。

調理の合間には「味の調整に使える昆布だしを作って置いておくと便利」と普段の調理への細やかなアドバイスもありました。
調理後は、試食会が開かれました。参加者全員に全ての品が配られました。各品の調理ポイントを振り返りながらいただけるのも良い点です。その後は個々に写真を撮ったり、情報交換をしたりと少しの時間ではありましたが、参加者同士の交流の場を設け終了となりました。

改めて参加者数人に感想も聞きました。

華ごころ 川野夢菜さん
「入社して3ヵ月で、この講習に出席でき、本当に良い経験となりました。なかでも魚の塩焼きについて、『塩が焼けることが塩焼き』と教えていただき、これまで『魚を焼く』としか考えていなかったので、とても勉強になりました。『スズキのたでみそ焼き』は味が奥深く、食材の良さが引き出されていると感じました。残った食材の活用法なども、ためになりました。」

魚池 藤井宏規さん
「今回で講習会への参加は3回目となります。その都度、その都度、大変勉強になっています。今回は特に知らないことばかりで、魚の焼き方一つから自分がやっているのとは違っていて驚きしかありませんでした。最初から最後まで、しっかり動画を撮ったので店に戻って見返して、たくさん練習したいと思います。」

guntu(せとうちクルーズ) 藤井義弘さん
「北岡先生とは親しくさせてもらっていますが、講習を聞くのは久々です。ですので、とても新鮮な気分になりました。特に『たでみそ』が印象深く、昔ながらの先生の手しごとを見させていただき、改めて学ぶこともあり、また一つ自分の力を蓄えられた気がします。また日程があえばぜひ研鑽会に出席したいです。」

今回の研鑽会を通じて各店で新たなメニューも開発される予定ですので、是非お楽しみにしていてください。また、次回の研鑽会は秋の旬の瀬戸内さかなをテーマにして開催を予定しています。

県産食材を使用した和食が召し上がれるお店はこちら

また、11月9日まで対象店舗で瀬戸内さかな料理を食べて抽選で素敵な賞品が当たるキャンペーンを実施中です。

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おいしい!広島「食べんさい店」は広島らしいメニューや商品を取り揃えています。広島の「おいしい!」をぜひお楽しみください。

  • イメージ:おいしい!広島「食べんさい店」
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