お知らせ

2025.03.22

FooDrinpic Runway Report 〜ウマヅラハギ篇〜

FooDrinpicエントリーテーマの魅力の深掘りと発信を目指し実施するFooDrinpic Runway!
今回の食のテーマは”ウマヅラハギ”、広島市で開催されたレポートをお送りします。

広島の海には、まだまだ知られていない“逸品”が眠っています。
そのひとつが、「ウマヅラハギ」。
淡白で上品な味わいの身、濃厚でクリーミーな肝を持ち、生食から焼き物まで幅広く活躍する魚です。
そんな広島の美味しいウマヅラハギを、もっと県内外に知ってもらいたい——。
そんな想いから、とあるプロジェクトが始動しました。
プロジェクトの発起人は、広島魚市場株式会社 事業推進室の吉井起明(よしい たつあき)氏。
かつては飲食の現場で腕を振るっていた吉井氏は、現在は市場関係者として、漁業者と飲食店の橋渡しを担っています。
「広島の魚は本当においしい。特にウマヅラハギは、もっと評価されていいはず」。
そう語る吉井氏は、飲食店・漁業者のネットワークを生かして、強力なチームを編成しました。

料理人として白羽の矢が立ったのは、広島市内で創業1年ながら確かな技術とセンスで注目を集める鮨店「鮨 黒郷(くろごう)」の黒郷修(くろごう おさむ)氏。
黒郷氏は、旬の地魚の持ち味を引き出す仕事ぶりに定評があり、“本当においしい魚”を知るプロフェッショナルです。

漁師として選ばれたのは、広島県水産課が推進する「ひろしまこだわり漁師」にも登録されている
広島市漁業協同組合の岡野真悟(おかの しんご)氏。
その確かな漁獲技術と鮮度管理から、県内外の高級飲食店から指名買いが入るほどの実力派。
魚に対する情熱と丁寧な仕事ぶりが、食のプロたちから絶大な信頼を集めています。

今回のプロジェクトの主役となる食材は、岡野氏が漁獲したウマヅラハギ。
その魅力は、大きく二つあります。
まず注目すべきは、その肝。市場関係者や料理人の間では、“肝パン”という愛称で呼ばれるほど大きく、パンパンに膨らんでいます。
理由は、岡野氏が漁をする漁場にあります。
岡野氏が狙うウマヅラハギは、カキいかだ周辺に豊富に発生するプランクトンを、
ほとんど動かずに捕食するため、エネルギー消費が少なく、自然と肝に栄養と脂が蓄えられます。

一口食べれば、ねっとりとした舌触りとコクのある味わいが口いっぱいに広がり、
まるで“海のフォアグラ”と表現したくなるほどの濃厚さ。
まさに、広島の海が育んだ宝です。

そして、もう一つの魅力が“身の美しさと食感”。
岡野氏が行うのは「てっぽう漁」と呼ばれる、広島ならではの伝統漁法。
テッポウという特殊な漁具を使い、カワハギの体を挟み込むようにして獲ります。

この方法は、魚体に傷をつけずに獲ることができる一方で、扱いを誤ると魚が傷つき、
ストレスも与えられることで弱ってしまうリスクもあります。
だからこそ、漁師の“目”と“手”の感覚がすべて。魚の状態を見極めながら、
一尾一尾ていねいに漁獲・処理された岡野氏のウマヅラハギは、透き通るような身質が特徴的で、
口に含むとぷりっと弾むような食感が特徴です。

まず披露されたのは、王道中の王道である「ウマヅラハギの握り」。
プロの寿司職人として、素材の力をストレートに伝えました。

カワハギの身は、薄すぎず厚すぎず、口に入れた瞬間に旨みと食感のバランスが完璧に重なる絶妙な厚みに。
その上には、濃厚な肝を練り上げたペーストが添えられ、刻んだ薬味が風味を引き立てます。
「肝をペーストにしようとしたら、脂がすごくてすぐに固まりました。
もう旬のピークではないのにこの濃厚さ。さすが“こだわり漁師”岡野さんの魚ですね」と黒郷氏も思わず唸る品質。

この料理を口にした岡野氏も、
「とてもおいしい!あまり自分が獲った魚をこのようなお店で食べる機会はないけど、
このように仕立ててもらえると『こだわって良かったな』と思います」と、笑みをこぼしました。

続いて披露されたのは、黒郷氏の創意が光る「ウマヅラハギの肝焼き」。
ペースト状にした濃厚な肝を、ウマヅラハギの身にたっぷりと塗り、
じっくりと火を通してふっくら焼き上げた一品。
ただ焼くだけではない、繊細な火入れと肝の香ばしさが相まって、ひと口ごとに深い余韻を残す料理です。

黒郷氏は調理を進めながら、こう語ります。
「岡野さんのウマヅラは、魚の処理が丁寧すぎるくらい丁寧。通常、肝を使う際には血抜きの処理をするのが当たり前なんですが、
岡野さんの魚は最初からほとんど血がなく、手を加える必要がないほど。これには本当に驚かされました」

“素材に余計な手を加えずに活かす”というテーマのもと、漁師のこだわりと料理人の技が見事に融合したひと皿が完成しました。
この一品を味わった岡野氏は、「初めて食べる料理でしたが、とても美味しい。
肝のコクと身の淡白さのコントラストが、ウマヅラハギの新しい一面を引き出してくれていて面白い」と、新たな可能性に目を輝かせていました。

さらに発起人の吉井氏も、「黒郷さんは鮨だけでなく、こういった一品料理への情熱も一級。
今回、料理人として声をかけて本当によかった」と嬉しそうに語ります。
料理を味わい尽くした後、プロジェクトに関わった3人は、それぞれの立場から、これからへの想いを語りました。

「漁師さんがこだわって獲った瀬戸内海の魚は、本当に美味しい。
これからも岡野さんをはじめ、地元の漁師さんたちと関係性を築きながら、広島ならではの一品を出せる店でありたい」
そう語ったのは、料理を通じて素材の価値を引き出した黒郷氏。

岡野氏も、今回の取り組みを通じて大きな手応えを感じたといいます。
「自分が獲った魚が、料理店でどのように出され、評価されているのかを体験できたのは、
すごく良い経験になった。これからも料理人さんの声を聞きながら、さらにこだわって漁をしていきたい」
そして、この出会いをつなげた吉井起明氏は、少し控えめに、しかし強い意志を込めてこう話します。
「今日は、二人の“こだわり”が本当に輝いていた時間だった。広島には、素晴らしい漁師さんやお店がたくさんある。
自分は現場の主役ではないけれど、だからこそ、こうした広島の資産をつなぎ、拡げていく役割を果たしたい」

会の終了後、会場にはこんな微笑ましいやりとりも——
「来週だったら、いつが空いてますか?」(岡野氏)
漁を終えた後、魚を届けた料理店に食べに行く——そんな信頼の輪が、またひとつ広がった瞬間でした。

広島には他にもおいしい!がたくさんあります。
FooDrinpicの特設サイトにアクセスして、各地の推し食をチェック!
https://foodrinpic.com/
食べられるお店も紹介されているので、
是非実際にお店まで行って食べてみてください!

おいしい!広島「食べんさい店」は広島らしいメニューや商品を取り揃えています。広島の「おいしい!」をぜひお楽しみください。

  • イメージ:おいしい!広島「食べんさい店」
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