行ってみんさい!
食べんさい店
季節の趣映す懐石で、旬の瀬戸内さかなに舌鼓
数ある「食べんさい店」自慢の広島県産食材を使った料理の中から、
今回は、県と一緒に瀬戸内さかなの魅力を広める日本料理店『庭園と料亭 半べえ』の「瀬戸内さかな」を使った料理を紹介。
五感で四季を感じながら、いましか味わえない旬の魚を味わってみませんか。
庭園と料亭 半べえ
〒734-0047 広島市南区本浦町8-12
TEL:082-282-7121
黄金山の裾、都会の喧騒から少し離れた静かな場所に立地する『庭園と料亭 半べえ』。昭和の名作庭家・重森三玲が作庭した日本庭園が広がる料亭だ。
春は桜、初夏はツツジ、秋は紅葉…と季節の移ろいとともに表情を変える景色を眺めながらいただけるのは、真心こもった旬の懐石。選び抜いた地物を活かした美しい料理の数々、おもてなしの随所にさりげない心配りが感じられ、「ハレの日や特別な1日はここで」と多くの人に選ばれ続けている。
「愉しむ日本文化」をテーマに提供される料理は、庭園で摘んだ花や枝葉を添え、移ろいゆく季節の趣を器に映す。「庭で納得のいくものが見つからなければ、土師ダムまで柿の葉や紅葉を探しに行くこともありますよ。広島の“いま”を肌で感じてほしいですから。
そして、五節句など日本の伝統的な食文化を通して、料理に込められた意味や先人の知恵を若い人たちに繋いでいくのも、私ら料理人の使命だと思っとります」。そう語るのは、総料理長の川村満さん。訪れるたびに新鮮な驚きに出合えるようにと、看板料理をあえて作らないのも信条だ。一皿ひと皿に込めた物語を思いながら、料理との一期一会を楽しみたい。
いちおしメニュー
使用している県産品
紅葉鯛
栄養が豊富で潮流の速い広島の海で育ったマダイは美しく美味。薄い紅色を帯びることから春は「桜鯛」、秋は「紅葉鯛」と呼ばれ、これらの時季はより一層旨味が増す。広島県内では、鯛そうめんや鯛飯などの郷土料理としても馴染み深い。
瀬戸内の多様な魚介を40年以上に渡り扱っている川村さんが、特に惚れ込むのが瀬戸内海で獲れるマダイ。旨味をしっかりと感じられる1.5〜1.8kgを中心に、2kg未満のものを使うのがこだわりだ。「江田島の早瀬沖など、広島湾で獲れる内海の地魚は、小さなカニやエビを捕食して育つので身が甘くて美味しい。特に、少し水温が下がった11月以降に獲れるマダイは、脂がのって身が引き締まっているので、ぜひ味わっていただきたいですね」。
その他にも、6〜8月頃の3ヵ月程度の期間限定で提供できる小イワシの刺身、寒くなると柔らかく旨味が凝縮されるタコなど、それぞれの食材が最も味わい深くなる時季を見極め、積極的に取り入れる。「瀬戸内の魚の持ち味を最大限に引き出すには、料理人が下処理などのひと手間を惜しまず作ることが大切」と川村さん。広島穴子の八幡巻きは、香ばしく焼き目を付け余分な脂を落としてから調理。あっさりとした端正な味わいのマナガツオは、薄塩で味を入りやすくし、数時間の味噌漬けでほんのり香りをのせた西京焼きに。「当たり前のことを丁寧に行うことじゃと思います」と笑う川村さんの実直さを感じるひと皿には、はっと目が覚めるような感動が宿っている。
料理は他にも、平日お昼の懐石(7,700円)や、川村さん自らがお客ごとの献立を作る料理長おまかせ懐石(1万7,600円〜)などもあり、大切なゲストをもてなす場にも最適だ。
広島は、自然豊かな瀬戸内海で育まれた「旬の魚介類」を一年中楽しめる場所。日本庭園を目の前に、その時にしか味わえない瀬戸内さかなを使った料理を堪能しながら、季節の訪れを感じるひと時に癒されてほしい。
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勇崎 元浩
ル・トリスケル
瀬戸内さかなを味わえる
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鉄板焼 安芸
〒733-0834 広島市西区草津新町2丁目29-34
TEL:082-27-4488 -
日本料理 花月
〒737-0045 広島県呉市本通り2-1-5
TEL:0823-23-1960 -
おく村
〒721-0907 広島県福山市春日町1-1-44
TEL:084-946-6866